油断できないゲストハウス

さて、一抹の不安を抱えながらもタイ南部のチュンポーンを目指すべく6時のピックアップを待っていると、何やら賑やかな一団がゲストハウスの前で止まった。アテンドが

お前じゃないか、みたいなジェスチャーをするのだがこれを間違えるととんでもないことになるのでフロントに行ってくれと頼んだ。そると案の定、僕のピックアップだった

が車がない。どうも近くのバスまで歩きらしい。賑やかな一団はイタリアから来た、下は多分2歳くらいから3人の子供を連れた7,8人のグループだった。これは楽しい旅に

なるかなと思いきや、バスまで来ると寝台バスではない。ただの座席だった。2階建て

で下は子供を含めたイタリアのグループがサロン形式になっている1階を占め、他の

乗客は多分全員2階へ。これがゲストハウスが言っていたスリーピングバス。座席の

指定はない。みんな勝手に好きな座席に座っている。しかも満席。なんでこんな過酷な

バスで深夜に走行する便が満席なのか不思議だ。理由の一つは1泊分のホテル代が浮く

からなのは知っているがそれにしてもという感じ。一応トイレは付いていたが1回も

使ってない。欧米人は後ろの座席に迷惑がかかるということで殆どの人がリクライングを倒していない。僕の前は夫婦だったが親父は倒していた。別に問題ないので黙っていたがご婦人の後ろ、僕の隣の青年は余り深く倒すなとご婦人に注意していた。確かに僕もその青年も倒していない。壊れたリクライングが勝手に倒れると後ろの人に謝って

リクライングを元に戻しているのを2回みた。この辺が先進国のマナーだと思う。

バンコク駅で最後の乗客を乗せたら出発。夜中の11時50分に40分の休憩。ここで夜食を食べる人やストレッチをしたりして再度出発。そしてうつらうつらしていたら、

何やらチュンポーンと乗務員が叫んでいる。時間は夜中の3時ちょっと前。何が朝着く

だ。夜中の3時が朝か!!。フラットにならないスリーピングバスといい、夜中の3時

を朝だと言ってみたり、あのゲストハウスを絶対に恨んでやる。ネットで調べた昼間の

バスを予約してくれと頼んだらクローズしていて予約が取れないと言われた時から何か

怪しいとは思っていた。海外でクローズは要注意。インドで観光タクシーにどこそこに

行ってくれと頼んだら今日はクローズと言われた。帰ってからネットで調べると開いている。そんなことがあったりする。しかもだ。着いた場所が大きな桟橋の近くで決して

市内ではない。グーグルでみると海に面した川の河口に居る。バスの乗務員に市内では

ない、シティーに行きたいと訴えるもウエイト、ウエイトしか言わない。一体何を待つのか。他の欧米人はみんな船乗り場の椅子で寝たり、話したり、トランプを始めたり

して一向に慌てる様子がない。船乗り場の案内図を見て思いついた。彼らはここから

船に乗って沖合いの島まで行くんだ。シュノーケリングなどを楽しむのだろう。そんな

コースのバスだったのだ。思い切って未だ起きていた女性に聞くと島に行くんじゃないのと言われた。矢張りだ。僕は市内のホテルに予約している、ゲストハウスにはチュムポーンに行くバスを手配してくれと頼んだなどと説明するとオーマイガッみたいな表情で同情してくれた。そのうち何故か3時にオープンする船乗り場の係員が来たので状況を説明すると6時に市内へのミニバスがあると教えてくれた。3時間まてばいいことが

わかって一安心。6時前にどうも船乗り場の関係者が来て、先ほどの係員から状況を

聞いたのだろう、300バーツでホテルまで送ってくれるという。英語が通じるので

車内ではいろいろと話をすることが出来た。日本が好きだという。行った事はないが

お金がないので行けないと言っていた。横浜の近くに住んでいるといったらヨコハママリノスと言っていた。日本人は大抵のところで嫌われてはいない。彼も僕をみてジャパンと直ぐに言い当てた。

 

ホテルに6時過ぎに着くとチェックインまで時間があったが直ぐに部屋を用意してくれた。これでやっとシャワーが浴びられる。午前中は寝て午後から活動開始。色々調べたが中々バスステーションが見つからない。ホテル、市内のいろんな人、あげくはツーリストインフォメーションでさえ知らないという。ネットを駆使して偶然に見つけた。

何とこのホテルから4分くらいの所だった。あのゲストハウス、ネットで事実を知らせてやるからな。覚えていろ。